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明和町T様邸の場合・・・
オーナー夫妻の希望は、いたってシンプルだった。
「日本人なんだから、日本古来の家がいい。国籍のわからないような家には住みたくない。」
伝統的な土壁工法で建てられた切妻の家は、外壁の腰下は珪藻土塗りで、京都の町屋を思わせる落ち着いたたたずまい。
小路のような敷石の通路で玄関へ。木製の引き戸を開けると、そこは広い土間になっており、右手にはステップフロアで板敷きの居間が、左手には畳敷きの和室が配されている。
土台や通し柱の尾鷲桧、床や壁版に用いられた飯高産の杉は、すべて植物系塗料で古色仕上げされ、アンティーク調の照明や調度とともに、新築ながら古民家の趣きをかもしている。気密と断熱性を考えて、窓はサッシとしているが、内側に障子戸がはめられているので、一見それとは気づかない。
「訪ねてくる友人が、みな和風喫茶か蕎麦屋みたいと言うんですよ」
二階に案内されて、さらに驚いた。無垢の木と白壁が組み合わされた、階下とは全く違う清新なイメージなのだ。キッチンや浴室、寝室などは、日当たりのいい二階に集められている。
オーナー夫妻は、二世代住宅もかくやの、二つの個性的な空間を日々楽しんでいる。
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